噂話の果実

楽園の果てに一本の木を生やしておいた
それは噂話の果実
口にした者はその甘さに魅せられ
次々に分け与えていった

遠く異国に住む僕の所まで
それはやってきて 机の上にある

始まりはその実を知る者と
知らない者に分かれた事で
補い合いたい気持ちは決断を迫ってくる
理解と誤解のどちらを選ぶのか

噂話はやがて 実態の無い幽霊となって
女の姿に化けて アタシは汚されたという

地滑りが始まれば 誰にもどうしようも出来ない

僕は復習に燃える眼で鏡を見たよ
それは壁に塗り込まれたような醜い泣き顔
本当にしたい事はこんなんじゃないのに

傷つけ合わないと話も始まらないなんて
気が遠くなるくらい愚かじゃないか
絶対的な自由の為に罪を犯して
牢獄の一人暮らしに憧れてみるんだ

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