幸せになりたいのなら大きな
大きな富を手に入れな
それは間違ってない
世の中は交換することで
出来上がって行くのだから
タマネギの層の一つ一つのように
輪になって閉ざしている
僕は大人しく自分の中の
交換できる物を探すと
ポケットの中にたまった
埃の塊と役に立たない知恵を袋に詰めて
長い列の最後に付くんだ
年寄りは長生きした分だけ
多くを持っているように見えて
あるのはすり切れた紙幣だけ
家の階段にそれを貼り付けて
眺めていれば満足だ
僕が差し出せるのはこの小さな体だけ
何処の誰にその価値が決められるというの?
透き通るような魂は誰の目にも映らない
泥水に浸した濁った野菜のような物を
良識と呼んで食卓に並べるんだ
タマネギの輪が閉じている
タマネギの輪が閉じている
それがどうにも気に入らないという