イルカ岬

やめてと言ったのに 構わないでと言ったのに
あなたの触れる指先は 私を突き落す
やめてと言ったのに もう来ないでと言ったのに
あなたの喋る唇は わたしを泣かせるわ

東京に行って 何かを見つけて お金持ちになって家を買うんでしょ
そこで小さな子供たちと可愛いお嫁さんと暮らせばいいじゃない

この町を出ていったのは
あなたが最初じゃないけれど
わたしを置いていくのは
あなたが最初の人なんです

あなたの大好きな海があるわよ
イルカの見えるあの岬も変わらずあるじゃない
町へと続く道は一つしかないけれど
沢山あっても迷っちゃうだけだとあなた言っていたのに

風が吹いて300円の
傘をどこまでも追いかけてた
東京なら人が
いっぱいいるから
すぐに誰か拾ってくれるでしょうね

10年後に戻ってきても
わたしはあなたを忘れています
忘れさせてくれる人
この町で見つけているでしょう

この町を出ていったのは
あなたが最初じゃないけれど
わたしを置いていくのは
あなたが最初の人なんです

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