光の輪

煉瓦色の円い坂 走る子供のサスペンダー 
立ち昇るのは 同じ色の思い出
夢の仕草を目で追ってた僕には
余計なものなど何も無くて

その頃裏庭の水車は 不思議な音を出していた
白い鳥達が寝息をたてる様な
今では覚えてしまった言葉が
全てにただ悲しい嘘をついて

石畳の上で僕らは 人を傷つけたりしながら
同じストーリーを話せた 君を失わないように

小麦をこぼしてしまったら 一番に屈み込んで
裏切りや涙も みんな拾ってあげるよ
見本の様な月はきっと こんな片隅も
ささやかに 撫でる様に

夜になって泉の中は 密やかに集めた
硝子細工達が 薄明りを放って
煙突からは虹色のため息が昇り
靴音は消えていく

やがて光の輪が降り積もって 君を笑顔にすることだろう
時が経っても僕らは 分からないことが多くて

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