北風がやってきて僕に道を尋ねた
僕は指をさしてあちらに帰りなさいと言う
一人きりで旅を続けるのは時に
二人よりも迷いやすいペパロニを連れて行く
悲しい事はお別れでも蓄え無しなことでもなく
あなたが帽子の被り方を忘れてしまいそうなこと
ペパロニはそう言って僕を膝に乗せ
谷底の小さな家を取り壊したところさ
生まれたあの街じゃ誰もが自分こそ
正しいと思っているそれにうんざりしたんだ
だけどだけれどそれは人の世の慣わし
子供がいつの日にか子供を作るように
新幹線が音も立てず夜の小川をのぼってくよ
僕の涙袋はワインガムでいっぱい
美しいことに気付かなくなったら
もうお終いねそれでも愛しているわ
誠実そうな羊飼い故郷に帰ると言います
僕は電気の街で暮らす事に決めたのです
汗を流し働き木陰に休むような
人にお成りなさいと彼女は滑り歩く
森を抜けて一本道をひたすらに登ろう
カトレヤの咲き乱れる家に向かうのよ
ペパロにはそう言って僕を膝に乗せ
日曜日の朝に振り出しに戻ったところさ