熱帯の夜には 壁の塗料も汗をかいて
少しくらい風が吹いたところで
君のカクテルのストローを押し倒しただけ
誰かのしょうもない話に 笑いで付きあわないで
不思議そうにしている君の横顔
オレンジをかじりながら見ている
炭酸ガスを仕込んだお菓子のように
頭がパチパチと音をたてている
自分の家みたいなところにいるのに
早く帰りたいと思うなんて
踊り子のような千鳥足
サンダルの留め具が刻むリズム
躍動しているのか僕たちは
うまくできているのか僕たちは
地上のなんとやら ここはそう呼ばれている
麦わら帽子のひもが緩んでいた
僕は田園の上に身を投げ出したい気分
もう来ることのない列車 口を開けて待ってる
並んでいる枕木にレールは無くて
それはまるで物差しみたいなんだ
もう比べられたくないのに
踊り子のような唇に
幕が下りてしまうのを見たよ
躍動しているのか僕たちは
うまくできているのか僕たちは