肝心要の晴れ舞台
今日は二人の特別な日
君は花嫁衣装のために
一足先に出かけてった
僕は置き去りにされた
トーストをかじってぼーっとしている
洗濯物が揺れている
僕らの国旗は下着達
家庭は人生の中心じゃないと
誰かが演説をしているよ
僕は着替えながら君との事を想像してみた
あれから数年が経って
何か違ってしまっているかい
どうだろう
一緒に僕と生きてみて
隠し事なんか無い僕と君の間に
デカイ顔して歳月が座ってるよ
いい歳をして君に何も
返せない僕はどうしたらいい
どっかの誰かが「愛してる」を
特売品みたいにしちゃったけど
昨日宇宙で合計百億回言われた
「愛してる」なんかより
もっと深く深く君の事を考えてるよ
言葉で僕ら繋がるのに
言葉はひどく不完全さ
だからね
一緒にもっと語りあわなきゃ
君と話してきた一字一句が全部
色んな顔で本棚に並んでるよ
そのどれもが愛し合う二人の
完成しない冒険小説
あなたが先に
君が先に
いなくなることを恐れてた
でもどうしょもない
それならいっそ長生きしてお互いの
いなくなり方さえも愛おしいと思おうよ
そして子供ができたら
仲間にして冒険をしよう
いつまでも
一緒に僕ら生きようよ
何が幸せかって誰が決めるんだい
親か世間かワイドショーか友人達か
幸せとは君と僕との
ドタバタを書いた長編小説
隠し事なんか無い僕と君の間に
デカイ顔して歳月が座ってるよ
いつまででも続けられるさ
愛し合う二人の冒険小説
肝心要の晴れ舞台
今日は二人の特別な日
クリームチーズの雲が
夕焼けに赤く染まっていく
僕は鼻歌まじりに
君の手料理をつまみ食いしてる