掻き毟るくらい君が欲しい

誰も知らない外側の町
壁にいくつも掛けられた愛想
帽子を取り替える仕草で
時折嘆き哀しむように

葡萄がぶら下がっていたんだよ
一つも甘くない葡萄
世間は並大抵の努力を認めない
パンプキンパイを作るくらいじゃさ

遠くを走る汽笛がいつまでも
僕の目には見えぬように
残り僅かな時間はそっと
ポケットの鍵束を隠した

練習すれば上手くなること
一つずつ足場を探すやり方
協力者の居ないパレードには
何の意味もないと君は譜面を閉じる

ラジオの線が繋がっていたなら
深夜放送に耳を澄まして
寝静まったこの町をせめて
イメージは抜け出していってくれ

掻き毟るくらい君が欲しい

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