スタートの位置

願わくば僕はあなたみたいに成りたいと
自分の庭を散々ぱら耕して
ようやく小さな人参の一つでも獲れるようになった時
あなた
僕のように成りたいと言ったとか

空には光
風は冷たい
風は冷たいだけでなく
何処かへ時を運び去る
君は僕の過去
未来

思いやるのは難しい
思い上がるのは簡単だ
僕にできることはと言えばただ君を見ているだけ
「その時」が来ればどうすればいいか分かるさ

その目に涙
口は動かない
口は動かないのだけれど
何かを伝えたがっている
君は僕の過去
未来

寄り道が嫌いな人に尋ねれば
向こうで楽しみたいから早く行きましょう
道のりを楽しみたい人に尋ねれば
休憩は割りと好きだねえと答える

あいつは恋に破れて泣くどころか笑っているのに
あいつは恋もせずに悲しみと戦っているのに
あいつは安定を手に入れた自分を嘆くのに
あいつは毎日文無しで愉快に歌っているのに

その全てを心から仲間だと思える不思議

どうかいつまでも
僕らの足並みが揃いませんように

スタートの位置は此処だ

スタートの位置は此処だ
スタートの位置は此処だ
見誤るんじゃないよ
まだ始まってないんだ
終わりなんて来るわけないじゃないか

スタートの位置は此処だ
スタートの位置は此処だ
見誤るんじゃないよ
まだ始まってないんだ
終わりなんて来るわけないじゃないか

スタートの位置は此処だ

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