青少年
立派な人にはなれっこないわ
だって私こんな仕事してるもの
ロングコートを羽織って君は
そう書かれた看板を持ってる
きっぱりと森の中に帰って
イチから暮らしを始めてみても
どうせ僕らは電波を飛ばして
いつかネクタイを発明する
夢から醒めた証拠に
君は後悔をありったけ集めて
そして気づく
やれるだけのことはやってきたのだと
生きてくことは悲しいと
昔から言われてたじゃないか
何を今更気づいたみたいに
何を悟ったような顔をして
明かりを消して星を見るんだ
それがどんなに意味のないことでも
君は意味から離脱しなくちゃいけない
君は君から飛躍しなくちゃいけない
欠落を楽しめるなんて
憎らしいほど刺激的だって
僕は気付く
青少年には早過ぎる悦びだったのだと
今日も札束を燃やしに行くんだろ
いつも通りの仕事をするんだ
何一つ身に纏わないで君は
そう書かれた看板を持ってる